思い出とOutputと僕と

「火の粉」を読み終えて

やはり雫井脩介は面白い小説を書くなと感じた一冊だった。美容師さんとも話したが起承転結の承の最後の最後まで非常にストレスフルな展開が続く。しかしながら「犯人に告ぐ」では巻島の番組最後の語りかけがあったようにストレスが一気に解放される展開になる。「火の粉」ではすごく解放されるような展開ではなかったがじわじわと解放されていった。また、葛藤を描くのが非常に上手で今回は自分の人生を否定するような答えが目の前にチラつきながら最後は己でその答えを見出すところがすごく印象的であった。

小説を読む際には自分とは全く異なる人生を歩んでいる人に感情移入するケースが多い。今回では裁判官という国家に認められた職種であったため新たに知ることが多かった。さぁ次はどんな人生に感情移入しようか。