思い出とOutputと僕と

「ままならないから私とあなた」を読み終えて

本作は表題作のままならないから私とあなたと前半部分はレンタル世界から成る。レンタル彼女は体育会系で育った主人公とレンタルサービスをしている女性の話であり、主人公が信じている人との付き合い方を考え改められる。そして表題作はピアノで生きていくと決めた雪子と幼少期から秀才ぶりを見せる薫の話である。

レンタル世界からは決めつけはよくないと非常に感じた。これは何者で感じた想像力と共通することである。どこかでヒトは想像できることが最も繁栄を遂げた理由と見たことがあるが、現代においても想像力というのは大事であると感じた。

また表題作からは人らしさを考えさせられた。日々誰かの研究や開発によって便利になっていく世の中の変化を時代の変化といえるだろう。それは過去の選択が淘汰されてゆくのではなく、過去の選択と新しい選択が共存することを指すのだ。ジュニアながらもweb開発者を名乗るのであれば肝に銘じなければいけないと感じたし、主人公のように切り捨てられたりめんどくさい部分に人間らしさが表れるとも思う。