思い出とOutputと僕と

「狂犬の眼」を読み終えて

前作に引き続き、孤狼の血シリーズの二作目である本作を読んだ。
一作目の終わりには日岡の進退や各勢力が年表となって書かれていた。日岡の大上2世としての生き様が年表からでも伝わっていた。本作は一作目から2年後の日岡が田舎の駐在勤務に飛ばされているときの話である。

一作目とは違い、ゆっくりとした時間の流れの中にいる日岡は焦燥感を感じていた。そんな中、明石組の組長と若頭を手にかけた指名手配犯の国光がゴルフ場開発の責任者として日岡のいる田舎に潜伏しだす。非常に国光の描き方が秀逸であり、最初は指名手配犯という凶悪なキャラクターという先入観からだんだん国光の仁義が描写され、日岡の心情とともに読んでいる自分も国光が好きになっていった。

国光と深い中になり、前作では受け取らなかった大上のノートを受け取っている日岡を見て、日岡なりの正義が確立された二作目なんだろうと感じた。

本シリーズは現在三作目まで出ているため、このまま一気に読み進めたい。