思い出とOutputと僕と

2023-01-01から1年間の記事一覧

「流浪の月」を読み終えて

本作も映画化で話題になり少し前に積読していたものだった。特に事前知識がないまま読み進めたが心打たれる作品だった。 物語は更紗のキラキラした幼少期から始まり、文との出会いと事件、そして文との再会という流れで、主に更紗の視点で物語が進んでいく。…

「正義の申し子」を読み終えて

本作を手に取ったのはかなり前で’正体’や’震える天秤’を読んだ際に染井為人にハマり、積読していた記憶がある。 本作は2017年に執筆されたもので、YouTuberであるジョンが悪徳架空請求者の栗山鉄平をからかうところから始まる。そしてジョンを追う栗山とその…

「護られなかったものたちへ」を読み終えて

本作は佐藤健主演(?)で映画化されている作品である。そんな安易な理由から本作を手に取ったが、読後はなんとも言えない気持ちになった。 生活保護と東日本大震災というかなりヘビーな題材2つを取り扱っていた本作だが、空港で利根が確保される辺りやラストの…

「狂犬の眼」を読み終えて

前作に引き続き、孤狼の血シリーズの二作目である本作を読んだ。 一作目の終わりには日岡の進退や各勢力が年表となって書かれていた。日岡の大上2世としての生き様が年表からでも伝わっていた。本作は一作目から2年後の日岡が田舎の駐在勤務に飛ばされている…

「孤狼の血」を読み終えて

本作は映画にもなっており映画で見る前に原作を読んでおきたいと感じたために読み始めた。 久しぶりの警察x極道の小説ですごい面白かった。予め映画化した予告は見ていたため、脳内で完全にガミさんは役所広司が動いていて、日岡は松坂桃李だった。 広島大を…

「鴨とアヒルのコインロッカー」を読み終えて

本作も前作に引き続き伊坂幸太郎が書いた作品である。 自分が初めて読んだ伊坂幸太郎の作品は重力ピエロである。その際も感じたが文章が非常に綺麗だと感じた。 多くの伏線だけでなく、暗喩がとても多く小説を読んでいる感があって非常に面白かった。 本作は…

「シーソーモンスター」を読み終えて

近頃、読み終わった小説を書き留めないまま次の小説に行ってしまっていた。本作も半月ほど前の記憶のため、曖昧なままとりあえず書き留める。 本作のあとがきにもある通り、伊坂幸太郎ら数人の小説家によってある縛りの中でそれぞれの時代にそれぞれの物語を…

「月の満ち欠け」を読み終えて

自分はかなりミーハーな人間だ。 この小説を読むきっかけは映画化 小説で検索したものの中で気になった本だった、というかなり安易なものだった。 直木賞を受賞した作品という前情報しかなかったため、てっきり何らかの事件が絡んでいるものなんだと思ったが…