思い出とOutputと僕と

2022-01-01から1年間の記事一覧

「傲慢と善良」を読み終えて

本作は辻村深月の恋愛小説らしい。 二部構成になっており前半は架という30代後半の俗に言う今までモテてきた男視点で、後半はその婚約者の真実視点である。 架は30代前半までは結婚に対して否定的であったが30代後半に差し掛かる時に友人らの家族を羨ましく…

「震える天秤」を読み終えて

前作から染井為人の作品を読み始めて先日文庫本になった本作を手に取った。タイトルを見て想像した中身は裁判官や検察といった司法に関わる小説だった。しかしながら主人公である律はフリーのジャーナリストで、彼が追うのは高齢者ドライバーの事故だった。 …

「正体」を読み終えて

しばらく読み終えた後に感想を書いていなかったため、久々の投稿。 本作は近頃よく手に取る染井為人の一作である。読み始めたのは染井為人が著者でレビュー数が最も多いというかなり安直な理由からではあったが非常に良かった。 ある事件で死刑判決を受けた…

「殺人犯はそこにいる」を読み終えて

本作はたまたま立ち寄った駅前の書店で手にとった一冊だった。新品であるのにブックカバーが付けられておりおびただしい数の強い言葉が羅列されているカバーだった。そんな印象的なカバーに気を引かれKindle経由で購入した本作の冒頭はフィクションではない…

「峠」を読み終えて

映画燃えよ剣で完全に幕末にハマり、以降司馬遼太郎の作品を読むようになった。先月峠 最後のサムライという映画が上映されることを知り、急いで本作を手にとった。私は日本史に明るくないため、そもそも越後長岡藩がどこに位置するかも、河井継之助がどのよ…

「グラスホッパー」を読み終えて

少し物語系の小説に戻ろうということで伊坂幸太郎に戻った。本作は映画化もされている作品である。 鈴木と鯨と蝉の3人の視点から描かれていき、物語が進むにつれて絡み合う三人。令嬢と呼ばれる怪しげな組織と3人それぞれの思惑。 日常生活を送っている上で…

「ままならないから私とあなた」を読み終えて

本作は表題作のままならないから私とあなたと前半部分はレンタル世界から成る。レンタル彼女は体育会系で育った主人公とレンタルサービスをしている女性の話であり、主人公が信じている人との付き合い方を考え改められる。そして表題作はピアノで生きていく…

「夜が明ける」を読み終えて

本作で初めて西加奈子を呼んだ。本来ならばきいろいゾウとかから読み始めるべきなのかもしれないが表紙のインパクトに動かされ購入していた。 本作は俺とアキの二人を描いている。父親の死から家庭環境が荒れても負けず大学を卒業した俺は制作会社に入る。い…

「正欲」を読み終えて

前回の何者から続いて朝井リョウの最新作である本作を文庫本が出てないため単行本で購入した。 そのくらい朝井リョウの引力に引き寄せられている。 西加奈子の書評を事前に見ていたためある程度の心の準備をした上で読み始めたがそれでも、これまで形成した…

「何者」を読み終えて

直近では翔ぶが如くを読んでいたが一巻を読み終えたタイミングで積読していた何者を手にとった。 序盤は主人公の拓人に共感する部分が多く、自分を重ねていた。 客観的に物事を見たがる節やちょっと斜に構えている自分がかっこ悪いところなどだ。 そのためラ…

「竜馬がゆく」を読み終えて

遂に読み終えた。ここまでの長編を読んだのはソロモンの偽証以来かもしれない。また時代小説であり史実通りに物語が進むため日本史に明るければネタバレ必須状態であったが、幸い日本史は中学レベルで終わっていたため展開が読めず非常に楽しめた。 司馬遼太…