思い出とOutputと僕と

「正欲」を読み終えて

前回の何者から続いて朝井リョウの最新作である本作を文庫本が出てないため単行本で購入した。 そのくらい朝井リョウの引力に引き寄せられている。

西加奈子書評を事前に見ていたためある程度の心の準備をした上で読み始めたがそれでも、これまで形成した価値観を剥がされるような感覚に陥った。

多様性という言葉について、それを押し出す社会について改めて考えさせられた。 見たくないものにはしっかりと蓋をする。 マイノリティの中のマイノリティは諦め繋がろうとしない、そんな大学生の大也も八重子の問いかけに繋がりへの願望を見せた。

簡単に多様性や繋がりなどの言葉は濫用できず、また見たくないものも受容する自信は、今の自分にはまだない。 そもそも相手は受容する必要すらないと考えているかもしれない。 締める言葉が見つからない。